恩田陸「劫尽童女」を読む前に知っておきたいこと

この記事では「劫尽童女(コウジンドウジョ)」について、あらすじと登場人物、評価や感想、事前に知っておくと理解が深まりより面白く作品が読めるポイントまで詳しく解説!
ぜひ最後までお付き合いください。

「劫尽童女」はどんな本?

「劫尽童女」は、小説です。

作品情報

タイトル 劫尽童女
著者名 恩田陸
発売日 2002年4月20日
ページ数 352ページ(文庫版)
価格 590円(税抜)

あらすじ

研究者である父親による遺伝子操作のため、常人の能力を超えた五感と戦闘能力を持って生まれた子ども。
かつて父親が所属していた研究機関『ZOO』に母親を殺され、長い逃亡生活と闘いのなかで父親を病で失いながらも、同じく特殊能力を与えられたシェパード犬・アレキサンダーとの逃避行が続く。
長野の別荘地、南房総の孤児院、東京湾に臨むニュータウン、そして最後に行きつく先とは…。

登場人物

ハンドラー
年齢は40手前くらい。端正な彫りの深い顔立ち

アレキサンダー
シェパード犬。ハンドラーのパートナー。
薬物と遺伝子操作によって、頭抜けた能力を与えられ生まれた。

伊勢崎博士
長崎の藩医や軍医を輩出した家系の生まれ。
アメリカに渡り十四歳で大学へ入学、軍医となった天才。

伊勢崎遥(よう)
伊勢崎博士の一人息子。失踪時はまだ二歳だったためZOOでも彼に関するデータはほとんどない。

ハル
十歳くらいの女の子。別荘を管理している老夫婦の孫。

若干のネタバレを含みますので未読の方はお気をつけください。

感想

恩田陸さんが書く超能力者と言えば「常野物語シリーズ」が真っ先に浮かびますが、本作で描かれるのは常野一族のような不思議で神秘的な能力ではなく、アベンジャーズのようなもっとシンプルな超能力です。
しかもそれは、科学者である父親によって人為的に与えられた能力です。
物語が進むにつれて浮き彫りになるのは主人公の圧倒的な孤独です。

タイトルの意味

読み方が分からなかったタイトルの「劫尽童女」。当然、その意味もわからないまま読み進めていたのですが中盤くらいで説明がありました。

劫尽火。世界が崩壊する時に、世界を焼き尽くす炎のことをそう呼ぶのさ。

恩田陸著 劫尽童女 本文より


まとめ

「劫尽童女」は、アクションとスケールの大きな展開が魅力の一冊です。

また、本作のような世界観が気に入った方は「薔薇の中の蛇」もおすすめです。こちらもぜひ読んでみてください。

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