「旅のつばくろ」沢木耕太郎

旅のバイブル『深夜特急』で世界を縦横無尽に歩いた沢木耕太郎。そのはじめての旅は16歳の時、行き先は東北だった。あの頃のように自由に、気ままに日本を歩いてみたい。この国を、この土地を、ただ歩きたいから歩いてみようか……。JR東日本の新幹線車内誌「トランヴェール」で好評を博した連載が待望の単行本化!(amzonより)


◆あらすじ
旅のバイブル『深夜特急』で世界を縦横無尽に歩いた沢木耕太郎。
そのはじめての旅は16歳の時、行き先は東北だった。あの頃のように自由に、気ままに日本を歩いてみたい。この国を、この土地を、ただ歩きたいから歩いてみようか……。
JR東日本の新幹線車内誌「トランヴェール」で好評を博した連載を単行本化。

◆おすすめポイント
本作は世界に旅立つよりも前、著者のはじめての旅である東北一周旅行で行けなかった場所や思い入れのある場所を訪れる「過去を確かめ直す旅」が主軸となっています。
軽井沢や箱根、兼六園などの有名どころも登場しますが、どちらかというとマイナーな場所が多いです。もしよく知る場所のエピソードがある人はラッキー。自分の地元やよく知っているはずの場所でも、沢木耕太郎さんの目を通してみると新鮮さがあります。

印象に残ったエピソード

「今が、時だ」

旅先で、「もう少し早くここに来ていれば、もっと素晴らしい旅があったのではないかと思うことがある。しかし、ようやく訪ねることができた今こそが自分にとって最も相応しい「時」だと思うことにしよう。
ちょうど、最近観た映画「アバウトタイム」の中で、過去にタイムトラベルすることができる能力を持つ主人公のセリフでこういったものがありました。『人は誰もが時間を旅している。人生という時間を。そこでベストを尽くすしかない。その旅が素晴らしいものになるように。』

私はよく、過去に戻ってやり直せたらもっとうまくやれるのにとか、もう少し早くこの事を知っていたらとか考えてしまうのですが、アバウトタイム然り、沢木さん然り、『今が、時』なんですね。

まとめ

沢木さんの文章はさっぱりしているけど品があって心地良いです。
有名な深夜特急シリーズはまだ読んだことがないけれど、「旅の窓」や「世界は使われなかった人生であふれてる」は気に入って何度も読んでおり、そちらもおすすめです。

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