恩田陸「ネクロポリス 上下巻」あらすじと感想

この記事では「ネクロポリス」について、あらすじと登場人物、評価や感想、雰囲気が似たおすすめ作品まで詳しく解説!
ぜひ最後までお付き合いください。

「ネクロポリス」はどんな本?

「ネクロポリス」は、懐かしい故人と再会できる場所「アナザー・ヒル」を舞台に次々と起こる殺人事件の謎を解くファンタジー・ミステリ小説です。
ゴシック・ホラー、ファンタジー、民族学、ミステリが融合した独特な世界観が読者から高い人気を得ています。

あらすじ

日英の文化が入り混じる極東の国V.ファー。そしてその聖地「アナザー・ヒル」。故人が「お客さん」として現れるという「ヒガン」研究のため東京から来た大学生ジュンの目の前に鳥居に吊るされた死体が。 

登場人物

ジュンイチロウ・イトウ
東京大学の大学院生

シノダ教授
ヴィクトリア大学の教授。

ハナ
ジュンイチロウの遠縁の親戚。ヴィクトリア大学の学生。

マリコ
ジュンイチロウの遠縁の親戚。 女子高の教師をしている。

リンデ
ハナとマリコの叔母。映画館を経営している。

ジョナサン・グレイ博士
米国コロンビア大学の教授。

ジミー・キャンベル
シノダ教授にアルバイトとして雇われたヴィクトリア大学の学生。

ネタバレになりますので未読の方はお気をつけください。

感想

面白い!!これぞエンターテイメント。
藤田新策さんの装画がしっくりとくる独特の世界観に魅きつけられる。
「ガッチ」場面の緊迫感は手に汗握る。“踊る仔馬亭"ならぬ九尾の狐亭でビールが飲みたいな~!
「ハンドレッド・テールズ」の緊迫感ある場面で、暗闇の中で一人ひとり立ち上がって話をしていく映像が鮮明に頭に浮かんであれっ?と思ったら「六番目の小夜子」の文化祭の朗読劇だ。個人的にはこの辺りが最高潮に盛り上がりました。

畳みかけるようなラストについて行けず…ケルト神話に詳しかったらラストはもっと楽しめるようなきがしました。

恩田作品の中でもかなり上位に入るくらい大好きな作品なので、ファンタジーに抵抗が無ければぜひ読んで欲しいです。

タイトルの意味

"necropolis"は英語では「(古代都市の)共同墓地」、ギリシャ語では「死者の街」を意味する言葉のようです。

まとめ

「ネクロポリス」は、この世界のどこかにV.ファーという国が本当に存在しているんじゃないか…と思ってしまう(そして願わずにはいられない)くらいに緻密な世界観と没入感が魅力的な一冊です。

また、本作のような世界観が気に入った方は「薔薇の中の蛇」もおすすめです。こちらもぜひ読んでみてください。

懐かしい故人と再会できる場所「アナザー・ヒル」。ジュンは文化人類学の研究のために来たが、多くの人々の目的は死者から「血塗れジャック」事件の犯人を聞きだすことだった。ところがジュンの目の前に鳥居に吊るされた死体が現れる。これは何かの警告か。ジュンは犯人捜しに巻き込まれていく―。内容(「BOOK」データベースより)

聖地にいる173人全員に殺人容疑が降りかかる。嘘を許さぬ古来の儀式「ガッチ」を経ても犯人は見つからない。途方にくれるジュンの前に、「血塗れジャック」の被害者たちが現れて証言を始めた。真実を知るために、ジュンたちは聖地の地下へ向かうが…。内容(「BOOK」データベースより)

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